それでは、お待たせしました!
後編にいきたいと思います!
福島原発処理水問題:後編
国の委員会では、保管継続のため敷地内外でのタンク用地確保に関しても議論され、
敷地外については、廃炉作業は既存の敷地内で進めるのが大前提であることや、
廃炉物持出しや敷地の拡大はリスク存在地点の拡大であり、
かつ規制上の手続きに時間を要するなど課題が多いこと、
敷地内も将来廃炉作業に必要な敷地用地を確保する必要があり、タンク増設余地は限定的であるとされました。
こうした議論の中、東京電力は貯留中の処理水の8割が処分時に適用される告示濃度限度を
超過していると発表しています。
これは、汚染水中のトリチウムを除く核種を除去可能な多核種除去設備の初期トラブルや、
当時タンクに」貯蔵していた高濃度汚染水の影響による敷地境界線量の低減を優先した運用
のためであり、それらを処理水については処分前に告示比総和1未満まで二次処理を行うとしています。
こうした議論の後、今年2月10日に国会の委員会にて、海洋放出や
水蒸気放出の2つを現実的な処分方法とする報告書が示されました。
海洋放出と水蒸気放出について国が被ばくの試算を行った結果、
どちらも自然放射線による影響(2.1mSv/年)よりはるかに小さい値となっています。
これら被ばく評価やコスト実績などから、海洋放出は水蒸気放出に比べ
優位であると言えるが、このいずれも科学的には妥当と言えます。
一方、同時に国の委員会の報告書では、処分の際に風評被害対策の拡充・強化が必要と
されています。
つまり、この問題の論点は、本質的には処分方法の科学的妥当性ではなく、
風評被害の防止なのです。
この国の委員会を立ち上げ、風評被害など社会的な観点も含め
総合的な議論を3年半も行ってきたのも、この為です。
風評被害とは、科学的に問題のない、ある事象をきっかけに、
我々消費者の消費行動の買い控えなどへの変化する事により発生するのです。
情報の提供者であり、当事者である東京電力が誠実であることが大前提になりますが、
我々消費者の冷静な対応がこの問題の解決につながる事も、肝に銘じるべきなのです。